年末年始、旅行で台湾を訪れた際に、現地の電子マネー・ICカード乗車券事情について取材してきました。
「悠遊カード」「I Pass」「iCASH」を取り上げてきましたが、ポストペイド型電子マネーも普及していました。
規格は、MasterCardの「paypass」とVISAの「Visa Wave」。台湾企業が発行する一部のクレジットカードに搭載されています。


高速道路のサービスエリアやショッピングセンター、デパートの地下街などで、対応端末を見かけました。
paypassは日本でも千葉のイクスピアリなどで利用できます。
台湾では、電子マネー・ICカード乗車券が予想以上に普及しているという印象を受けました。
日本のようなポイントサービスはありませんでしたが、電子マネー・ICカード乗車券で決済すると割引になるので、ポイントサービスよりありがたいサービスではないでしょうか。
「悠遊カード」をはじめとする交通系電子マネーと、台湾のセブンイレブンが推進する「iCASH」の2規格が台湾の電子マネーの規格になりそうです。
「悠遊カード」の交通利用については、高雄の「I Pass」をはじめとする市内交通のICカード乗車券との相互利用が将来進み、台鉄(台湾の国鉄)が将来導入することを検討しているそうで、台湾各地の交通カードの基準になるでしょ。Suicaのように
台湾高速鉄道(台湾新幹線)も、台北や高雄のMRTの自動改札機と似た形の改札機を導入しており、ICカードのリーダが改札機に備え付けられています。(写真の丸く膨らんでいるところです。たぶんMIFAREでしょう。)

現在は紙のきっぷですが、将来、「悠遊カード」が利用できるようになる可能性は大きいのではないでしょうか。(個人的見解)
「悠遊カード」の電子マネー利用(「悠遊錢包」)ですが、「悠遊カード」機能付きクレジットカード(悠遊聯名卡)だと、ファミリーマート(全家便利商店)*1やコーヒーショップ、映画館などで利用できます。
モバイルSuicaの「悠遊カード」版(Easy-Mo)についてはモニター実験を開始するところです。*2
現地取材のあと、日本に帰ってきて、「悠遊カード」について調べなおしていたら、取材できてないことも多く、こんなにサービスが進んでいてビックリしました。
ただ、「悠遊カード」の普通カードでは電子マネー(ショッピング利用)できないのがまだできないのが残念です。今後利用できるようになるといいと思います。
障害があるとすれば、MRT構内(改札内)では飲食・喫煙禁止であることでしょうか。日本は駅ナカで電子マネーが利用できることがSuica・PASMOのヒットの一因となりましたが、改札内には自販機や売店がない(MRTの場合)ので、ショッピング利用する機会がないのかもしれません。ただ、改札外や街ナカで利用できるようになれば便利になるでしょう。
一方の「iCASH」ですが、台湾全土のセブンイレブンで使えるとはいえ、ギフトカードの要素が強いことがやや問題でしょうか。
電子マネーの規格という意味では、加盟店の開拓などが必要になってくるのではないでしょうか。
Suicaとnanacoのバトルを台湾でみているようですが、今後どうなっていくのでしょうか。次回、台湾を訪れた際は、新しいサービスが始まっていると思います。
みなさんも、台湾を訪れてみてください。
とてもいいところですよ。
*1 http://www.tscc.com.tw/news.php?id=26 参照 2007年3月1日からファミリーマート台湾全土2050店で導入。
*2 http://www.tscc.com.tw/news.php?id=290 http://www.tscc.com.tw/news.php?id=306
7-ELEVEn iCASH
7-ELEVEn(台湾)
中國信託電子錢包感應信用卡
高雄捷運KRTC
高雄市政府捷運工程局
南部地區IC智慧卡電子票證系統「TaiwanMoneyCard」
Wikipedia「一卡通」
Wikipedia「TaiwanMoney」
台北智慧卡票證公司
Wikipedia「悠遊カード」
Wikipedia「悠遊卡」
台湾のセブンイレブンでは、日本の「nanaco」サービス開始前から、電子マネーが導入されています。
名前は、「iCASH」。

2004年からサービスが開始しており、台湾全土(約4600店)のセブンイレブンで利用できます。
2007年8月に発行枚数が500万枚を超したそうです。
カードの規格は不明。ICチップを搭載しています。

「iCASH」は、セブンイレブンで購入でき、価格は100元。レジで、100元単位でチャージできます。上限は10000元。
使い方は、レジにあるリーダにタッチすれば決済完了です。

「iCASH」機能のついたクレジットカードも発行されています。
中國信託(Chinatrust)が発行しているクレジットカードの一部では、電子マネー機能がついています。セブンイレブンでは「icash wave」、それ以外のお店では「Q-PAY」というサービス名です。
残金が足りなくなると、500元がオートチャージされるそうです。
https://www.chinatrust.com.tw/ch/sp/96070601/qpay.htm

「iCASH」機能のついたクレジットカードでは、例えば映画館(高雄夢時代内のCINEMARK)で利用できます。
「nanaco」のようにポイントサービスはないのですが、特定商品が割引価格で購入できます。特定商品は期間ごとに変化します。
「iCASH」の特徴は、カードデザインが豊富なこと。
購入したカードは、2008年のねずみ年限定版のカードで、キティちゃんがねずみの着ぐるみをかぶったデザインでした。限定30000枚だとか。
アニメ柄などの記念カードを頻繁に発行しています。
http://www.7-11.com.tw/product/icash/hot.asp
個人や企業が自らデザインした「iCASH」カードをつくることも可能だそうです。
繰り返し使うというよりは、ギフト用(企業の宣伝用)のプリペイドカードの色合いが強い印象です。コレクターもいるのではないでしょうか。
取材日
12月30、31日
参考
7-ELEVEn iCASH
7-ELEVEn(台湾)
中國信託電子錢包感應信用卡
台湾第2の都市、高雄(ガオシュン)では、高雄捷運(MRT)で使えるICカード乗車券「I Pass」(台湾名:一卡通)が導入される予定です。

MRTがいまだに開通していないため、まだ使えません。(2008年1月現在)
「I Pass」は、MRT開通と同時に使えるようになります。
台北の「悠遊カード」同様、非接触型ICカードの規格のTypeA(オランダのNXPセミコンダターズのMIFARE)を採用しています。
「I Pass」は、MRTのチケットオフィスで購入できます。
普通カードは、一枚500元で購入でき、内訳は100元がデポジット、400元が使用金額となっています。
手数料20元を払うと、未使用分とデポジットが返金されます。
残金が足りなくなったら、MRT駅構内のチャージ機(加値機)やチケットオフィスでチャージができます。
使い方は自動改札機の読み取り部分にかざすだけです。きっぷはICトークンのようです。

割引制度などのサービス運用については、まだ開通していないのでわかりません。
「I Pass」取材記
年末年始、観光で高雄を訪れました。
出発する前、日本で「高雄のMRTが12月31日に開通すること」「開通に合わせ記念のICカード乗車券が販売されること」という情報をキャッチし、台湾に向かいました。
しかし、高雄を訪れると、いまだに工事が続いており、開通する気配なし。

台鉄高雄駅と接続する「高雄車站」では開通予定日の前日でも駅の工事をしていた。駅入り口にはプレハブ小屋が。
12月31日に記念乗車券が発売される「三多商圈」駅に向かいました。

案の定、開通していませんでした。

しかし、開通記念のICカード乗車券は手に入れることができました。


マスコット人形は別
同じ匂い(鉄分)のする台湾の男の子たちもグループで買いに来ていました。
普通のカードもすでに販売していたので、もちろんゲットしてきました。
駅構内を覗いていると、いきなり電車が到着。試運転をしているようです。

路盤、運行システムの工事や車両の搬入はすでに終わっているようです。残るは駅の工事だけみたいです。
駅員さんによると、紅線は2008年2月の開通を目指しているそうです。
高雄のMRTについて
高雄のMRTは、現在、紅線と橘線の工事をしています。紅線(red)は、高雄市内を南北に貫く路線で、台湾高鉄(新幹線)の発着駅の左営駅、台鉄の高雄駅、高雄の中心部、高雄国際空港を結びます。橘線(orange)は高雄市内を東西に貫く路線で、高雄の中心部や夕日が有名な西子湾などを結びます。
紅線は2008年2月、橘線は2008年10月の開業を予定しています。2009年7月には高雄で、World Games(オリンピック競技以外の競技の世界大会)の開催を控えており、それまでには開通していると思われます。
相互利用について
高雄など台湾南部7県市のバスやフェリーなどで利用できる「TaiwanMoneyCard」と相互利用できるようになるそうです。
また、同じ規格(MIFARE)を採用している、台北の「悠遊カード」とも相互利用を計画しているそうです。
http://mtbu.kcg.gov.tw/html/news/shownews.php?id=96082101
取材日
2007年12月30、31日
取材後記
台湾人の友達曰く、工事が遅れるのはいつものことだそうです。
台湾新幹線の開業も何度か延期していましたね。
高雄の交通手段は、バス、自動車、そしてスクーター。スクーターの多さと空気が悪いのに驚きました。スクーターにのっている人のほとんどがマスクをしているんです。
MRTが開通すれば交通手段に変化が現れ、空気も多少きれいになるのではないでしょうか。台北ではMRTの開通により、以前より空気がきれいになったそうです。
高雄滞在中、バスを利用しなかったので「TaiwanMoneyCard」なるものと遭遇しませんでした。次回、高雄を訪れた際には「TaiwanMoneyCard」も取材したいと思います。いつになることやら、、、「I Pass」の有効期限は2年なので、期限までには訪れたいと思います。
台湾旅行は、台北だけの人が多いとおもいますが、高雄や台南などの南部や、花蓮などの東部もオススメです。
参考
高雄捷運KRTC
高雄市政府捷運工程局
南部地區IC智慧卡電子票證系統「TaiwanMoneyCard」
Wikipedia「一卡通」
Wikipedia「TaiwanMoney」
台湾の首都・台北では、「悠遊カード」(台湾名:悠遊卡、英語:EasyCard)がICカード乗車券として、市民に愛用されています。日本のSuicaやPASMOのような存在です。

「悠遊カード」は、2002年6月12日に導入され、2007年8月30日には発行枚数が1000万枚を超えました。
非接触型ICカードの規格のTypeA(オランダのNXPセミコンダクターズのMIFARE)を採用しています。(日本のほとんどの電子マネーはSONYのFeliCa)
台北捷運(MRT)、市内バス、一部長距離バス、駐車場、ロープウェー、渡し船などで使えます。動物園の入場券や台北市の図書館の貸し出しカードにもなるそうです。
2007年9月1日からは、台北に近い基隆市の基隆交通カードと相互利用を開始しました。

台北近郊にある淡水と対岸の八里郷をむすぶ渡し船でも利用できます。淡水は夕日が美しい水辺の街として知られています。
「悠遊カード」は、MRTのチケットオフィスやコンビニなどで購入できます。
普通カードは、一枚500元で購入でき、内訳は100元がデポジット、400元が使用金額となっています。(普通カードのほか、学生用や子ども用、障害者用などのカードがあります。)
手数料20元を払うと、未使用分とデポジットが返金されます。
残金が足りなくなったら、MRT駅構内のチャージ機(加値機)やチケットオフィス、コンビニなどでチャージができます。チャージ単位は100元または500元で、上限は10000元となっています。

有効期限は、最後に使った日から2年間です。
使い方は簡単です。読み取り部にタッチするだけです。
MRTの場合は、入るときと出るときに読み取り部にタッチ。お財布にカードをいれて、タッチしても通れました。

バスの場合、乗るときもしくは降りるときに読み取り部にタッチします。バスに乗るときと降りるとき、2回タッチするとエラーになりますが、2回分の料金が引き落とされることはありませんでした。

MRT構内にあるリーダ(?)にのせると、いままでの使用履歴がわかります。

「悠遊カード」でMRTを利用すると、運賃が2割引になります。また、MRTとバスを乗り継ぐ場合、運賃から8元引かれます。
短期滞在で、あまりMRTやバスを利用しない場合は「悠遊カード」をお勧めしませんが、MRTやバスを駆使して台北市内をくまなく観光する場合は「悠遊カード」オススメです。
余談ですが、MRTのきっぷはIC化されていました。以前はプラスチック製のカードだったそうですが、今はコイン型のトークンです。

2007年中に置き換えが行われたそうです。中にICチップが入っています。
ときどきエラーもあるそうです。友達が改札機が開かなくなるトラブルに見舞われましたが、有人窓口の係員がすぐに対応してくれ、無事改札をでることができました。情報がICチップにうまく書き込まれなかったようです。
利用方法は、自動販売機で行先まできっぷを購入。出てきたICトークンを自動改札機のリーダにタッチ。改札を出るときは、回収口にICトークンを挿入。
取材後記
「悠遊カード」ですが、台北市民に普及しているようでした。観光客を除きほとんどの人が「悠遊カード」を利用していました。2割引は大きいですよね。
あと、台北のMRTの車内や駅構内がきれいなのに驚きました。車内や駅構内で飲食・喫煙をすると罰金を取られるそうです。気をつけましょう。

取材日 2008年1月4日、5日
参考
台北智慧卡票證公司
Wikipedia「悠遊カード」
Wikipedia「悠遊卡」
タイの首都バンコクではSmart Pass(スマートパス)が交通形の電子マネーとして市民に愛用されています。その中でもSky Smart Pass(スカイ・スマートパス)はICチップ内蔵式の電子マネーで日本のSuica(スイカ)やPASMO(パスモ)のような存在となっています。

Sky Smart Pass(スカイ・スマートパス)はプリペイド式の電子マネーで初回購入時の最低購入金額は100B。そのうちデポジットが30Bですので70Bが利用できます。デポジットはカード返却の際に返却してもらえます。またSky Smart Pass(スカイ・スマートパス)への最低チャージ(入金)金額は100Bとなっています。
日本のSuica(スイカ)やPASMO(パスモ)と同じように改札の通過は赤い部分にタッチすれば自動的に赤いゲートが開く仕組みとなっています。ここで世界の電子マネーを取材する際に重要なポイントが“お財布にいれたまま電子マネーが反応し通過できるかどうか”。今回タイ・バンコクのSky Smart Passはほとんど問題なく反応しました。

現在、Sky Smart PassはBTS(スカイトレイン)のみで利用が可能です。地下鉄に乗ろうとした際に、かざして反応しなかったため、なぜだろうと思いホテルに帰って調べたところ2008年度を目途に、地下鉄、バスとの相互利用を目指しているとのことです。
バンコクでは2004年7月にバンコクメトロ(地下鉄)でのIC乗車券の導入が始まりました。当初はFeliCaカードを活用したIC乗車券が導入されましたが、現在はMifareへの切り替えが進んでいるそうです。

2007年からICカード(Sky Smart Pass等)の導入を開始したBTS(スカイトレイン)では
当初よりMifareカードを採用しています。
参考文献:IC乗車券等の国際相互利用促進方策について(中間報告) (国土交通省総合政策局情報管理部情報政策課)






